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グーグルの生成AI・Veo 3で制作したテレビCM、早くも放映…制作期間・コストを劇的に削減

ビジネスジャーナルに取材を受けた記事が公開されました。
グーグルの生成AI・Veo 3で制作したテレビCM、早くも放映…制作期間・コストを劇的に削減

以下、原文です。

—–実際に使ってみた正直な感想のレビュー
—–どれくらいのクオリティの動画がつくれるのか

「Gemini」と「Flow」を使って、Googleの動画生成AI「Veo 3」を試してみました。Gemini経由であれば、日本語のプロンプトでも動画を生成できるため、Veo 3の基本的なクオリティを確認する手段としては非常に手軽です。

たとえば「公園でサックスの練習をするロングヘアーの女性」と入力してみたところ、音声と映像が連動して生成されるVeo 3の特徴がよく伝わる動画が出力されました。女性の指の動きに合わせてサックスの音が鳴り、口元もメロディに合わせて息を吹き込んでいるように見えます。奏でられる音が実際の運指に合っているかどうかは、私には判別できませんが、表現としてはかなりリアルです。

Geminiでは、このように日本語のプロンプトでも出力可能なため、最初の試用には向いていると感じました

続いて、キャラクターの外見や衣装、表情、位置関係が動画全体で一貫して保たれるVeo 3の特性を確かめるため、Flowからも試してみました。Flowは日本語プロンプトに非対応のため、英語で入力する必要があります。

Flowは動画の生成機能に加え、複数の生成動画を並べて編集できる「シーン編集機能」を備えたアプリです
前バージョンの「Veo 2」も使えますが、今回は音声付きで生成する目的があったため「Veo 3」を選択しました

「日本人の女子高生が台所でチャーハンを作っている」といった内容を英語で記述するだけで、中華鍋を振る音や油のはねる音まで自動生成され、非常に簡単です。ローマ字でセリフを書けば、日本語もほぼ違和感なく話してくれました。リップシンク(口の動き)も自然で、しっかり合っています。ただし、キャラクターに日本人であることを明記しないと、セリフが片言になるケースも見られました。

Veo 3で生成される動画は1本8秒ですが、それをFlowのシーン編集機能に読み込んで、延長用プロンプトを入力すれば最大1分の動画に仕上げられます。キャラクターの外見を固定したまま複数のシーンを連結できるため、ストレスなく編集できました。

生成した動画を並べて編集しているところ。最大1分の動画を、複数まとめることでそれなりの作品に仕上げられると感じました
プロンプトにローマ字で記述した日本語のセリフを、ほぼ違和感なくしゃべりました。リップシンクも合っています

—-使ってみた感想として、このツールの強み・魅力は何か。
—-逆に弱い部分・難点はどこか。

Veo 3の最大の魅力は、テキストだけで音声付きの映像を自動生成できることです。カメラワークの指定に応じて、動きや奥行きのある映像が簡単に作れる点も非常に優れています。

また、写真やイラストをもとに動画を生成する機能も試してみました。ただ、これについてはあまり大きな動きをつけられないように感じました。操作が不十分だった可能性もありますが、生成の自由度は完全ではない印象です。

利用には「Google AI Pro」(月額2,900円/初月無料)または「Google AI Ultra」(月額36,400円/初回3か月は18,000円)の契約が必要です。Flowで動画を生成する際には「AIクレジット」を消費し、Proプランでは月に1,000クレジットが付与されます。Veo 3で動画を1本作ると100クレジットを消費するため、試行錯誤するとすぐ使い切ってしまいました。本格的に使うなら、毎月12,500クレジットが付くUltraプランの方が現実的だと思います。

—-どのような用途・目的の動画の制作に向いていると考えられるか。

すでにVeo 3で作られたキャラクター動画や、会話形式の短編がYouTubeで公開・収益化されているチャンネルも存在します。特に自然な発話やカメラワーク、映像と音声の一体感を活かした表現は強みと言えるでしょう。

ただし、カメラの完全なコントロールは難しく、絵コンテ通りの映像を制作するような現場での導入は難しいと思います。偶然性や曖昧さを許容できるケースに限られそうです。一方で、直感的に高品質な映像を生成できるため、教育、広報、企画プレゼン、試作映像やストーリーボードの代替としては非常に有用だと感じました。

—–テレビCMを制作しようとした場合、どれくらいの時間・労力が必要になると考えられるか

実際、NBA中継で放送されたCMがVeo 3で制作された事例があり、制作期間はわずか2日間だったそうです。簡単なプロンプトでも完成度の高い映像が得られる反面、狙い通りの演出を実現するにはかなりの試行錯誤と調整が必要です。

また、Veo 3には「誰が作っても似た雰囲気になりやすい」という側面があります。個性やブランド性を重視する場面では、Veo 3だけで完結する制作手法は、現場での採用に至らない可能性もあるでしょう。

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