AirPodsやめました
連載:イトウアキのアップル系と呼ばれて(第29回)
代わりにBeatsXを買いました
スマホはiPhone、パソコンはMac、仕事先にはiPadを持参し、移動中はAirPodsで音楽を聴いているけど『別にアップル好きじゃないです』と言い張るライター伊藤朝輝がつづるアップルライフ。今回は、AirPodsをやめてBeatsXを買ったお話だ。
●AirPods用脱落防止フックは半年しか持たなかった
2年前の12月、発売日にアップル渋谷に並んで買った「AirPods」。片方なくしたり、2台目を買ったりといろいろあったけれど、使わない日はないほど愛用してきた。
しかし、筆者が使っているAirPodsには、実は問題がある。右側が外れやすいのだ。まあ、AirPodsのせいというよりは筆者の耳の形のせいなのだけれど……。普通に生活しているときは問題ないし、走っても落ちない。ところがあおむけになると、ふとした拍子に右側だけぽろりと落ちることがある。
これはスポーツジムでトレーニングしながら音楽を聴くときにとても具合が悪い。「ダンベルプレス」や「レッグレイズ」のようにあおむけで行う種目ではほぼアウトなのだ。
そのため、スポーツジムに行くときはAirPods用の「脱落防止フック」を使うようにしていた。AirPodsの片方をなくした後、その対策として購入したものだ。これを着けるとAirPodsが安定して、あおむけになっても落ちない。ただし、半年も使っていると伸びて緩くなり、AirPodsにフィットしなくなってきた。汚れも気になる。フックは3セット入っていたので、交換すればあと1年くらいは持つ計算だが、正直、このフックもあまりかっこいいものではない。
ふと、トレーニングのときに使うワイヤレスイヤホンが頭に浮かんだ。そう言えば10月に「BeatsXイヤフォン」が税込み1万5984円から1万2744円に値下げされたのだ。これは「買え」という筆者へのメッセージに違いない。
というわけで、アップル表参道まで出向いてBeatsXを買ってきた。
●やっぱり使いやすさではAirPodsが上
BeatsXは左右のイヤホンがケーブルで接続されているのだが、それは特に気にならない。耳から「Flex-Formケーブル」と呼ばれる平たいケーブルが下がり、首の後ろ側に回っているのは、むしろかっこいいと思う。
AirPodsの代わりにBeatsXを選んだのは、コントローラーにアップルの「W1チップ」が組み込まれているからだ。AirPodsと同じようにアップル製端末間での接続切り替えが、接続したい端末側の操作だけでできる。これに慣れると、他社のワイヤレスイヤホンを使おうという気にならなくなってしまう。
ところが、使ってみるとやはりAirPodsとは違う。確かにBeatsXは、AirPodsと同じような操作で接続の切り替えはできたが、使う前にいちいち本体のスイッチで電源をオンにし、使い終わったらオフにしなければならない。AirPodsは充電用ケースから出して耳に入れると電源がオン、外すとオフ。電源を手動でオン/オフすることを忘れてしまっていた。
またAirPodsは耳から外したタイミングで端末側の音楽再生も止まるが、BeatsXの場合は止まらない。いつもの感覚でスーパーのレジで会計をしてもらうときに、BeatsXを外すと、次に着けたときは聴いていたポッドキャストがずっと先に進んでいるということが何度かあった。BeatsXの場合、外す前に再生を止めなければならないのだ。
充電に使うケーブルはAirPodsと同じように、iPhoneの充電にも使われている「Lightningケーブル」だ。BeatsX本体のケーブルの途中に充電用の端子があり、そこに接続する。満充電で連続再生8時間。AirPodsは連続再生5時間だが、ケースで4回以上は充電できる。
スポーツジム専用にするので8時間もあれば問題ないとは思うが、充電し忘れたまま持って出ると悲惨だ。それだけは注意したい。
●右側が外れやすいのはBeatXでも同じだった
BeatsXをスポーツジムで試してみてがく然とした。やはりあおむけになると右側が少し浮く感じになるのだ。まさかと思って、強めに押し込んでみたが、少しずつ浮いてくる。自分の耳の形を呪った。
そこで思い出したのが、iPadで音楽アプリを操作するときに使っているソニーのカナル型イヤホン。これは、あおむけになっても外れない。試しにソニーのイヤホンに付属していたイヤチップをBeatsXに装着したところ、右耳にもフィットして浮くことがなくなった。
音はAirPodsよりも軽い。低音域はカナル型によくあるモワッとした感じで強めに出ているが中音域が薄いように思う。オーディオの評論を得意とするライターの友人が言うには「Beatsの音」なのだとか。個人的にはAirPodsの音のほうが好きだが、遮音性の高いところは、スポーツジムで集中するにはちょうどいい。
ようやくスポーツジムで快適に使えるイヤホンが見つかった。だからAirPodsやめました。スポーツジムでは。