アップル系と呼ばれてiPhoneiPad

iPhone XSを知ってiPhone Xへの愛が冷めそう

連載:イトウアキのアップル系と呼ばれて(第22回)
Apple Watchも買います

スマホはiPhone、パソコンはMac、仕事先にはiPadを持参し、移動中はAirPodsで音楽を聴いているけど「別にアップル好きじゃないです」と言い張るライター伊藤朝輝がつづるアップルライフ。今回は、アップルのスペシャルイベントを見た伊藤氏がその衝撃とがっかりを語る。

●アップル系の心意気が試される時期が来た
今年もアップル製品好きの心意気を試されるこの季節がやって来た。幕開けは、新製品が大量に発表されるアップルのスペシャルイベントだ。もちろん、筆者も新製品を購入して熱意を示したい。

日本時間の2018年9月13日午前2時、既報の通り「iPhone XR/XS/XS Max」「Apple Watch Series 4」が発表された。iPhone Xユーザーの筆者が狙うとしたら、その後継機となるiPhone XSだ。XRはディスプレーが液晶になってしまうのが悲しいし、XS Maxでは本体サイズが大きすぎる。

XSの事前情報では、デザインはXと変わらず、スペックも大差ないと聞いていたため、「今年はiPhoneを買わない年になるのではないか」と思っていた。さすが10年先のスマートフォンを先取りしたiPhone Xだと感心していたくらいだ。

iPhone Xに限らず、肌身離さず持っているアップル製の端末には愛着があるわけで、新モデルが出たからといってその愛が冷めるようなことはない。できればこれからも一緒にいて愛を深めていきたいのである。

●予想外にCPUが高速だったXRに衝撃を受ける
スペシャルイベントで発表されたiPhone XSの詳細情報から、Xよりもスペックアップしている主な仕様は以下の4つ。

  • 「A12 Bionic」プロセッサー搭載で2倍高速
  • 内蔵マイクを4つ搭載し、ビデオ撮影でステレオ録音ができる
  • 防水性能がIP67からIP68にアップ
  • 「DSDS(Dual SIM / Dual Standby)」で2回線を同時利用できる

この中で特に気になったのは、高速なA12 Bionicがカメラの性能アップに貢献していること。ソフトウエアがより高度な処理を行えるようになったためだ。例えば「ポートレートモード」で撮影した写真のボケ具合を、標準の「写真」アプリで調整できるようになった。被写体を背景から分離する機能もアップしているらしい。

1世代前の「A11 Bionic」を搭載するiPhone Xが対応していないのが悲しいが、もっと悲しいのは、事前情報では気にもしていなかった“下位モデル”のXRにもA12 Bionicが搭載され、上記の機能を実現していることだ。

「ポートレートモード」で撮影するには背面に2つのレンズが必要だと思っていたのだが、XRに搭載されている背面レンズは1つ。それでも被写体と背景を分離してボケを作り出せるらしい。ソフトウエアの力って侮れない。

A12 Bionicは、カメラ以外のアプリでも実力を発揮すると思われる。実質、XRはXを超えている面が多い上、価格も安く、カラーバリエーションも6色と豊富。悲しいというか悔しいというか、今回発表されたiPhoneの中ではXRはかなり推していきたい機種だった。

コーラル、ブルー、イエロー、ホワイト、ブラック、(PRODUCT)REDの6色で登場した「iPhone XR」。上位機種の「iPhone XS/XS Max」と同じ「A12 Bionic」プロセッサーを搭載している点が魅力
バスケットボールのコートとリングを自動認識し、プレーヤーとボールの動きをリアルタイムに解析。シュートの成功率をコートの位置ごとに分析する「HomeCourt」というアプリ。フォームの乱れを、音声フィードバックで指摘する機能もある。A12 Bionicの可能性を感じた

●Apple Watch Series 4は買い替え必至
スペシャルイベントの冒頭でかなりの時間を割いて紹介されたのは、「Apple Watch Series 4」だ。事前情報から推測して、本体サイズは変わらずベゼルが薄くなり、表示領域が広がると思っていたのだが、表示領域とともに本体も少し大きくなっていた。

Apple Watchには以前から大小のサイズがあり、Series 3までは42mmケースと38mmケースだったのだが、それが44mmと40mmになり、全体に丸っこくなった。ケースのサイズが変わると旧モデルのバンドとの互換性が心配になるが、バンドを取り付ける部分はそのまま、つまり旧モデルのバンドも無駄にはならないようだ。

Apple Watch初のデザイン刷新というだけでも買いに走りたいところなのに、CPU(中央演算装置)まで超高速になったらしい。筆者が愛用しているApple Watch Series 2よりも約70%高速なSeries 3の2倍も速いということは、単純に計算して3.4倍も速いことになる。Series 2ではアプリがまだ起動しないうちに画面が消灯してしまったり、「Hey Siri」と声をかけてもスルーされたりすることもあるのだが、Series 4ならキビキビ反応してくれるようになるのではないだろうか。筆者としては買い替え必至だ。

加速度センサーもアップデートされ、通常の動きとは違って分かりにくい「落下」や「転倒」も検出されるとのこと。転倒を検出して1分動かないと緊急電話を自動的に発信する機能は「そこまでするか?」と思ったが、スマートウォッチでできることを追求しているアップルには感服した。

がっかりしたのは、心待ちにしていたアップル純正のワイヤレス充電マット「AirPower」やワイヤレス充電対応の「AirPods」には、一言も触れていなかったこと。スマートスピーカー「HomePod」の機能がアップデートされるらしいが、日本での販売が発表されなかったことも残念だ。10月にはiPad ProやMacBookの新製品が発表されるという情報もあるので、そこでのアナウンスを期待したい。

今回発表されたApple Watch Series 4は表示領域が従来モデルよりも30%以上アップ。洗練された印象になった。図の盤面は情報過多のような気もするが、シンプルなデザインも用意されている
Apple Watch Series 4ではケースのサイズとデザインが変わった。従来モデルよりもやや大きくなり、表示領域も拡大。バンドに互換性があるのはうれしい
アップル純正のワイヤレス充電マット、AirPowerやワイヤレス充電対応のAirPodsに関しては華麗にスルー。2018年中に登場するという約束は大丈夫なのか?

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