沖縄は地方出版が盛んらしい。誰かに確かめたわけじゃないから「らしい」とつけてるんだけど、実際に書店に行ってみるとその想像が間違いじゃないと確信できる。興味をそそる本がいっぱいある。エッセイ的な本などは気軽に買って旅行中にどんどん読んでしまう。そういうのによく書いているライターの名前は覚えてしまうほどだ。ほとんど沖縄在住のライターなのだが、県外から住み着いた人も多い。「沖縄で暮らす」なんて本もあるぐらいだ。さすがにテクニカルライターは無理だろうと思っていたのだが、沖縄在住でコンピュータ関係の本を執筆している人もいた。
今日は9泊10日旅行の最終日。何をするかはずっとその日の気分で決めてきた。今日も何をしようかといろいろ考えてみたが、結局そばを食いに行くことにした。表向きは(別に隠す必要もないが)昨日、国際通りらへんにあるという「可否館」というコーヒーショップに行ってみたところなぜか移転していたので、その店を訪ねてついでにその付近にある「てんtoてん」というそば屋に行くというものだ。観光名所の識名園も表向きの理由。 ホテルをチェックアウトして、パレットくもじのコインロッカーに荷物を預け、識名方面を回るバスに乗った。 てんtoてんのそばは、木灰を使って作っている。何でわかるかというと名前が「木灰そば」だからで店の人に聞いたわけじゃない。麺には沖縄そば特有のゴワゴワ感がなくモチモチしている。木灰のせいというよりも、麺をゆでてから出すまでにどうするかということに寄るらしい。とにかく、ここもおいしかった。現地でそんなに食べたことがないので、はっきりとは言えないが沖縄そばの中では特殊な位置にあると思われる。なのに正統という感じがするのが不思議だ。 夕方までに国際通りに戻って買い物をし、ロッカーに預けていた荷物の中の着替えやシュノーケル、フィンなどと買ったものとを合わせて、ゆうパックでうちに送った。そのあと牧志の市場をぶらぶらした。夕飯には早かったが空港に行ってしまうとおいしいものが食べられないので、二階に広がる食堂から「ふるさと」という店を選んで、前から気になっていた「みそ汁」を食べることにした。沖縄には「おかず」というメニューがあることから考えても、「みそ汁」だって定食についていくるみそ汁とは違うはずだ。ちょっとどきどきしたのだが、「みそ汁」と頼んで待っていると、どんぶりに入った具だくさんみそ汁とご飯が出てきた。大衆食堂ではメニューに「定食」と書かれていなくてもご飯とみそ汁(これは普通のみそ汁)がついてくるということを聞いていたので、「みそ汁」にもみそ汁がついてきたらどうしようとも思ったりもしたのだが、さすがに汁物に汁物はついてなかった。
沖縄の大衆食堂はこれがはじめてで、他にもいろいろ挑戦したいものがあったのだが、今回はこれで時間切れ。県庁前から空港行きのバスに乗り、JAL932で帰ってきた。うちについたのは24時近くだった。
こうしてみると食い物のことばかりメモっていた旅行日記だった。帰ってから他のエピソードを交えてふくらまそうと思ったんだけど、細かく書いてもしょうがないので印象深かったことだけを追加して、ほとんどメモのままにした。あとは自分だけの思い出にしとく。
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