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iPad用の「最高のキーボード」とは? 1カ月使い込んだ

アップルの10.5インチ「iPad Pro」を手に入れてから、ずっと心待ちにしていたイギリスBRYDGE社のiPad Pro用Bluetoothキーボード「BRYDGE 10.5」(1万6650円)が発売された。

日本国内ではリンクスインターナショナルが総代理店として取り扱いを開始。筆者は発売日に購入し約1カ月使い込んだので、その使い勝手をリポートしたい。

iPad Proと一体化するキーボード

筆者はこれまで、購入したiPadに必ずキーボードを組み合わせて使ってきた。キーボードのほうが長い文章を楽に入力できるのが最大の理由だ。

12インチのMacBookも持っているが、手書きでメモを取ったり、説明図やラフ図を描いたりするにはiPad ProとApple Pencilの組み合わせのほうが使い勝手がよい。キーボード付きのiPadだけで作業が終わることもある。

iPad ProにiOS 11が搭載されてからは、ドラッグ・アンド・ドロップやマルチタスク操作を行う際にもキーボードがあると使い勝手がよい。iPadとキーボードを組み合わせて、パソコンのように使える場面が以前よりも増えてきた。

iPad Pro用キーボードならアップル純正のキーボード「Smart Keyboard」があると、多くの人は思うだろう。筆者も10.5インチiPad Proと同時に購入した。普段はiPad Proの画面カバーとして使い、組み立てればキーボード兼スタンドになる。薄くて軽いので、画面カバーとして使っている時でもキーボードが気にならないところがよい。

しかしノートパソコンのキーボードと比較すると打鍵感に不満が残る。iPad Proを開ける角度も固定なので、置き場所によっては打ちづらい。キーボードとして使う前に組み立てなければならない点も面倒に感じる。

それに比べ、BRYDGE 10.5は独自のヒンジを持ち、iPad Proを挟み込むことによって一体化する。MacBookのようになるので、使う時はiPad Proを起こせばすぐに使える。

最大180度、キーボードとiPad Proが平らになるまで開き、どの角度でもぐらつくことなくキープできる。大きく開けば、Smart Keyboardでは打ちづらい低いテーブルや、膝の上でも楽にキーボードを操作できる。筆者がこのタイプのキーボードを選ぶ際に重要視している点は、この使い勝手の良さだ。

ヒンジは丈夫なアルミ製でiPad Proと触れる部分はシリコンで覆われている。iPad Proを傷つける心配がない上に、滑り止めにもなっている。また、かなりきつく挟み込むのでiPad Proが抜け落ちる心配もない。

BRYDGE 10.5は独自のヒンジにiPad Proを挟み込んで一体化。MacBookのようになる。大きく開いても安定するので低いテーブルでも楽に使える
BRYDGE 10.5のヒンジ部は本体同様アルミ製。iPad Proに触れる部分はシリコンでガードされており、滑り止めにもなっている。iPad Pro部分を持ち振っても外れることはなかった

実際に打ってみると……

BRYDGE 10.5の実力を見ていこう。iPad Proとの接続はBluetooth 4.0で行う。技適マークを取得しているため、日本国内でも電波法に抵触することなく使用可能だ。

バッテリーの持続時間は1日に2時間使うとして最長12カ月。充電時間は約3時間とスペック表に記されていた。最近のBluetooth接続キーボードでは標準的だ。

筆者の実測したデータでは、バッテリーの残量が0%になった状態から約30分の充電で50%まで回復した。思い出したときに少しずつ充電しておけば、バッテリー切れにはならないだろう。

本体はキーボード側の面、裏面ともにアルミを削り出したパーツが使われている。実物を手に取ると、表面もiPad Proに合わせた加工が施されており、高級な印象だ。

キーに使われているプラスチック素材は手触りが良く、剛性も高い。しっかりタイプでき、ぐらつくこともない。ソフトなクリック感があり、打鍵音も静か。キーピッチは約17.5mm。一般的なキーボードよりも少し小さいが、違和感なく使える。Smart Keyboardとほぼ同じキーピッチだ。

筆者はこれまで、気持ちよくタイプできるかという点でiPad用のキーボードを選んできた。BRYDGE 10.5はその中でも最高の部類に入る。

キーボード上部のファンクションキーもBRYDGE 10.5の特徴だ。iPad Proの画面の明るさやキーボードのバックライトの調節、スクリーンキーボードの表示と非表示の切り替えなどが行える。

筆者が特に便利に感じるのは「ホーム」ボタンだ。このボタンを押すとiPad Pro本体のホームボタンを押したときと同じ動きをする。つまり1回押すとホーム画面に戻り、2回素早く押すと「Appスイッチャー」と呼ばれるアプリ切り替え画面が表示される。iOS 11ではDockも同時に表示されるので、そのままマルチタスク画面へスムーズに移行できる。

ケースはキーボード側の面だけでなく、裏側もアルミを削り出した素材が使われており、タイピングの衝撃を受け止める。打鍵感の良さにも影響しているものと思われる
ファンクションキーの左側に用意された「ホーム」ボタンは、iPad Proとキーボードを組み合わせてマルチタスク操作する際にも威力を発揮する

残念なところは?

筆者にとっては10.5インチiPad Proと組み合わせるならBRYDGE 10.5が最適だ。ただ、残念に感じる点もある。

(1)iPadと合わせて1kgを超える重さ

まずは重さ。キーボード単体で560gあり、10.5インチのiPad Pro(469~477g)と合わせると1kgを超える。1kgを切る12インチMacBook(920g)よりも重い。

一方、使っていると、この重さにも意味があることが分かる。どんな角度でiPadを開いてもキーボード側が浮くことなく安定するのだ。

キーボードを浮かせることなく軽さを求めるなら、Smart KeyboardのようにiPad Proを大きく開けない構造にするか、iPad Proをスタンドで支える仕組みにする必要がある。軽さを求めるなら別の製品を選ぶほうが良い。

(2)キー配列はUSのみ

日本国内で販売されているパソコンの多くはJIS配列のキーボードが採用されている。JIS配列に慣れている人は、US配列のBRYDGE 10.5はタイプしにくい。最近ではSmart KeyboardもJIS配列が用意されたので、BRYDGE 10.5でも対応してほしいところだ。

この件を国内販売総代理店のリンクスインターナショナルに問い合わせたところ「現状では配列のラインアップに変更はありません」と返信があった。

ちなみにBRYDGE 10.5には、入力モードを切り替える[英数][かな]キーは無いが、[caps lock]キーを押すと直前に使っていた入力モードに切り替えられる。または[ctrl]キーを押しながらスペースキーを押して切り替える方法もある。

(3)「画面の下の縁から上にスワイプ」操作ができない

10.5インチiPad Proはほかのモデルよりもディスプレーの縁が狭い「狭額縁」デザインが採用されている。横向きに置いたときの上下側が特に狭く、下側の縁はキーボードの下に入ってしまう。そのためiOS 11でDockを表示するときなどに使う「画面の下の縁から上にスワイプ」操作ができない。

キーボード上の「ホーム」ボタンを2回押せばDockを表示できるのだが、Appスイッチャー画面になるため、正確には「画面の下の縁から上にスワイプ」と同じ機能とは言えない。現時点では大きな問題ではないが、iOSのバージョンアップなどで、今後困ることが出てくる可能性がある。

10.5インチiPad Proと合わせた時の重さを測ると1052g。920gの12インチMacBookよりも重い
iPad Proの下側の縁がキーボードの下に隠れてしまう。「画面の下の縁から上にスワイプ」はキーボードが邪魔をして操作できない

どんなユーザーにおすすめか?

12インチMacBookを持っているのにiPad ProでBRYDGE 10.5を使いたかった第1の理由は、先述のようにパソコンのように使える場面が多くなってきたからだ。このキーボードのおかげで、MacBookとiPad Proの両方を持ち歩かずに済むようになった。

第2の理由はWi-Fiネットワークが無い環境でもインターネットに接続できるセルラーモデルのiPad Proの強みを生かせるからだ。MacBookでもテザリングを使えばインターネットに接続できるが、端末単体で接続できるほうが使い勝手はよい。

またMacBookでは、バックグラウンドで通信するアプリが多く動作しているので、テザリングでのデータ通信量を抑えようとするとなかなか面倒だ。iPadならあまり気にせずに利用できる点もよい。

上記の理由に共感できるiPad ProユーザーにはBRYDGE 10.5はおすすめだ。また、低いテーブルや膝の上など、場所に合わせて打ちやすい角度にiPadを開いて使えるのもBRYDGE 10.5のよいところだ。価格は高めだが、キーボードの質感、タイピングの心地良さにこだわるユーザーにも薦められる。

BRYDGE 10.5を装着した10.5インチiPad Pro(左)は12インチMacBook(右)と比較するとそれほど小さくはない。Wi-Fiネットワークがなくてもインターネットに接続できる点が魅力

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