アップル系と呼ばれてアクセサリー

Apple Watchの転倒検出機能は信頼度マックス

連載:イトウアキのアップル系と呼ばれて(第24回)
判定の厳しさにアップルの本気を見た

スマホはiPhone、パソコンはMac、仕事先にはiPadを持参し、移動中はAirPodsで音楽を聴いているけど「別にアップル好きじゃないです」と言い張るライター伊藤朝輝がつづるアップルライフ。今回は、Apple Watch Series 4が搭載する2つの検出機能を、体を張って検証した。

●今度はApple Watchを手に女神が降臨
iPhone XS/XS Maxが発売された9月21日、Apple Watch Series 4も発売となった。しかし、筆者が注文した「Nike+」モデルだけは10月5日の発売。新しいApple Watchを早く使ってみたくてうずうずしていた筆者のところに、アップルという名の“女神”が再び現れた。今度はApple Watchを貸し出してくれると言うのだ。

女神: Apple Watch は体験を続けていくにつれて発見が増える製品で……。

筆者: 女神様、ありがとうございますっ。

さて、Series 4を手に入れたら試してみたいと思っていた新機能が2つある。1つは、ワークアウトを自動的に検出してくれる機能。もう1つは転倒や落下を自動的に検出してくれる機能だ。

●ワークアウト開始時点まで遡って記録
旧モデルでは、ワークアウトの種類を事前にApple Watchに設定してからでないと、運動した時間しか記録されない。心拍数や消費カロリー、走った距離のデータは残らないのだ。ワークアウトが終わってから設定を忘れていたことに気づき、悔しい思いをしたことも一度や二度ではない。それが、ワークアウトの種類も含めて自動的に検出されるというのだから素晴らしい。ちなみにこの機能はOS(基本ソフト)をwatch OS 5にアップデートすれば旧機種でも利用できる。

この機能を試してみようと思い、歩いてスポーツジムに向かっているとApple Watchが「ワークアウト中のようですね」と反応した。画面には「屋外ウォーキングを記録」との表示。これをタップしてみると、なんと歩き始めた時点まで遡って記録されている。Apple Watchのセンサーが動きを検出した時点で記録が始まり、一定時間以上その動きを続けているとワークアウトと認識される仕組みのようだ。

その後、スポーツジムのランニングマシンで走っていたら、今度は「ランニング」として認識された。Apple Watch、なかなかやりおる。

ジムを目指して歩いていると「ワークアウト中のようですね」と反応。歩き始めた時点から記録が始まっていた

●プロテクターを装着して検証開始!
ワークアウトが自動検出されることは確認できたので、今度は転倒や落下を検出する機能を試すことにした。“女神”によると、転倒したときに受け身を取ると認識しないとのこと。確かに設定画面にも「あなたがひどい転び方や落ち方をして動けなくなった場合に……」とある。本気で転ばないとダメみたいなので、肘と膝を守るプロテクターを準備して検証に臨むことにした。

65歳未満のユーザーの場合、「転倒検出」機能はデフォルトでオフになっている。65歳未満で使ってみたい人はiPhoneの「Watch」アプリでオンにしておこう
けがを防ぐために肘と膝のプロテクターを購入

芝生の上なら転んでも痛くないのではないかと考えて近所の公園へ。プロテクターを装着して、後ろ向きに倒れてみる。やはり腰は引けるし、無意識に受け身を取ってしまうせいか、転倒は検出されなかった。そして芝生の上でも十分に痛い。

気を取り直して再び後ろ向きに倒れてみたが、1回目の「転倒」で痛みを学習してしまったので恐怖心が先に立ってしまう。もちろん転倒は検出されなかった。

前に倒れると顔面を打ってしまいそうなので、前に手をついてハンドスプリングから体ごと落ちるという「落下」を試してみた。動画で見ると20cmくらいの高さから完全に落ちているのだが、それでも反応しなかった。

確かに日常生活の動作を、お気軽に「転倒」と誤認識されてしまったら困る。さすがはアップル、甘くない。こっちももっと本気で転倒せねばなるまい。

とりあえず後ろ向きに倒れてみたが、無意識に受け身を取ってしまっている。もちろん転倒は検出されない

後頭部を強打して聞いた「ピポピッ」音
本当に転んだときにしか反応しないのかもしれないと思いつつ臨んだ5回目。諦め気分で緊張が緩んだのか、4回分のダメージが蓄積していたのか、倒れた反動で後頭部を強打してしまった。これは本当に痛いやつだ。

頭を抱えてのたうち回っていると、Apple Watchから「ピポピッ」と音が。見ると「ひどく転倒されたようです」と表示されていた。

のたうち回る筆者。ヘルメットも着けておくべきだった。危ないし痛いので良い子はまねしないでほしい

ここで画面の「緊急SOS」をタップすると119番に電話をかけ、あらかじめiPhoneに登録しておいた緊急連絡先にも通知が届く。ここでは「転びましたが大丈夫です」をタップしたが、その下には「転んでいません」という表示もある。

Apple Watchが転倒の動きを学習するとしたら、わざと転んだ場合は「転んでいません」をタップすべきなのだろう。しかし、本当に痛かったので、ここは「転びました」をタップするべきだった。本当に転んだときに「あぁ、わざとね」と認識されたら大変だ。

5回目でようやく「転倒」と認識してくれた。自分でも想定していない転び方をしたのが良かったのではないかと思う

実験は成功。本当に痛い転び方をしたときに、ようやく転倒と認識された。転倒検出機能はかなり信頼できると言っていいだろう。“女神”は転倒検出機能について「使わないに越したことのない機能」としているが、本当にその通りだと身をもって知った。もうわざと転んだりしません。

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