連載:イトウアキのアップル系と呼ばれて(第26回)
iPhone禁止令を出されました

スマホはiPhone、パソコンはMac、仕事先にはiPadを持参し、移動中はAirPodsで音楽を聴いているけど『別にアップル好きじゃないです』と言い張るライター伊藤朝輝がつづるアップルライフ。今回は、iPhone禁止令を出された伊藤氏が最新のAndroid端末「Pixel 3」をiPhone化してしまったお話だ。

●Pixel 3でアップル系の心意気を示せ
横浜の赤レンガ倉庫で行われた「iPhoneケース展」の記事がボツにされた。担当氏いわく「伊藤さんに、こんな記事は求めてないんだよ」。川崎の立ち飲み屋に呼び出された筆者がテーブルに着くと、そこにはホッピーやモツ煮込み、赤ウインナーと並んで怪しげな箱が置かれてあった。

箱には「Google Pixel 3」のロゴ。担当氏は「これを使って記事を書け」と言う。「Android端末でアップル系の心意気を示して見せろ。記事を書き終えるまでiPhoneは禁止だ」。

iPhoneが登場するずっと前からアップル関連の記事を書いている筆者にとって、この程度の逆境はむしろ心地いいくらいだ。もちろん、二つ返事で引き受けた。

●喜々とするグーグル女子、ピンとこない筆者
勢いで引き受けたものの、筆者はAndroid端末を何年も使っていない。友人の“グーグル女子”のほうが何か面白いことを引き出してくれるのではないだろうかと相談してみることにした。グーグル好きで新し物好きとなれば、Pixel 3に興味がないはずはない。

案の定、彼女は喜々として操作しつつ「ここが違う。あ、こうなってるんだー」などと、自分のAndroid端末との違いを説明してくれた。立ち飲み屋で担当氏が新機能を一通りレクチャーしてくれたときにも思ったのだけれど、すごいのは分かるものの筆者にはどうもピンとこない。これは、筆者がiPhoneのすごさをAndroid系ユーザーに伝えようと頑張っているときの逆バージョンなのだろう。アピールすればするほど相手は引いてしまう。

友人のグーグル女子にPixel 3を軽く試してもらい、アドバイスを受ける。OSが最新の「Android 9.0 Pie」になっていることもあり、これまでのAndroid端末とは挙動が違うところも多いらしい

手っ取り早く人に教えてもらおうとしているようでは何も得られないのだろう。iPhoneと同じくらい全力で愛さなければ、Pixel 3だって心を開いてくれるはずがない。それなら「アップル系の俺は、俺の愛し方で愛す」と心に決めた。普段iPhoneでやっていることを全てPixel 3に移行し、iPhoneと同じように使えるようにしよう。Pixel 3の“iPhone化”だ。

iPhone Xの顔認証を使い続けて1年余り。すでに指紋認証の使い方を忘れてしまった筆者には、Pixel 3の背面指紋認証がツライ。この時点ではiPhoneとの操作性の違いばかりが気になる

●アップル系によるPixel 3のiPhone化計画
iPhoneが使えない場合、何が必要だろうか。まず思いついたのは、音楽配信サービスの「Apple Music」と、乗車アプリ&電子マネーの「モバイルSuica」だ。

すぐにAndroid版の「Apple Music」アプリをインストールしたところ、Pixel 3に見慣れたApple Musicの画面が表示され、なんだか気分が高揚してきた。

Pixel 3のUSB Type-C端子に接続できるイヤホンはケーブルが邪魔だ。やはり、アップル製ワイヤレスイヤホン「AirPods」を使いたい。同じ「Apple ID」で使っているアップル製端末であればペアリングは不要だが、Pixel 3では普通のBluetoothイヤホンとしてペアリングする。

「Apple Music」の楽曲はもちろん、音楽CDからMacに取り込んだ「iTunesライブラリ」の楽曲も「iCloud」経由で問題なくストリーミング再生できる。これだけで、ずいぶんPixel 3に愛着が湧いた。

Bluetoothイヤホンを別の端末で利用する場合、一般的には接続中の端末側でいったん「切断」し、別の端末で改めて「接続」することになる。これに対してAirPodsは、接続したい端末で「接続」するだけで済む、つまり「切断」の手間が掛からないのがポイントだ。これはAirPodsとアップル製端末だけの特例だと思っていたのだが、Pixel 3とiPhone間でも「接続」だけで切り替えることができた。Pixel 3がAirPodsに忖度(そんたく)しているのだろうか。すごいぞ、Pixel 3。

乗ってきた勢いで「モバイルSuica」アプリもインストール。幸い、Pixel 3は「FeliCa(非接触型ICカード技術方式)」対応なので「モバイルSuica」も問題なく使える。

Pixel 3にAirPodsをペアリングして使ったところ、問題なく再生できるだけでなく、アップル製端末同士のように接続の切り替えができた
「おサイフケータイ」が先行しているAndroidスマートフォンならどれでもモバイルSuicaを使えるもの思っていたが、意外に対応していないものもある。Pixel 3なら大丈夫

●付き合い始めたばかりの彼女のようなトキメキ
ここまでやって思ったのは、各サービスのアカウントやパスワードを手打ちするのが面倒この上ないということ。そこで思いついたのが、筆者がiPhoneで使っている「1Password」というパスワード管理アプリだ。このアプリのAndroid版をPixel 3にインストールし、iPhene版とパスワード情報を同期できるようにした。こうすればPixel 3では初めて使うサービスでも、アカウントとパスワードをコピー&ペーストするだけで済む。銀行の口座番号なども見られるようになり、さらに「iPhone化」が進んだ。

筆者がiPhoneを含む複数のアップル製端末でパスワード管理に使っている「1Password」のAndroid版をPixel 3にインストール。アプリやサービスへのアカウントとパスワードの入力もスムーズになった

自分がよく使うアプリは、どのアプリにどれだけの時間を費やしているかを可視化してくれる「スクリーンタイム」というiOS 12の機能で確認できる。上から4番目のアップル純正「メッセージ」アプリが使えなくなるのはちょっと厳しいが、「LINE」があれば問題ないだろう。Pixel 3はともかく、「LINE」まで好きになるかどうかは別の話だが……。

iOS 12の新機能「スクリーンタイム」を使って、iPhoneでよく使っているアプリを確認した。このリストのアプリをPixel 3にインストールすれば、普段のiPhoneの用途をかなりカバーできるようになるはず

ここまでで、少なくとも80%は普段のiPhoneの用途をカバーできたように思う。かなりの部分でPixel 3が好きになってきた。ようやく担当氏やグーグル女子からレクチャーされたPixel 3がすごいという機能も実感できるようになってきた。

iPhoneとの使い勝手の違いにはまだまだ慣れないが、付き合い始めて間もない彼女との“手をつなぎたくてもつなげない”ようなもどかしさに、ちょっとトキメキ始めている。

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