連載:イトウアキのアップル系と呼ばれて(第27回)
ケース専門店で知っためくるめく世界

スマホはiPhone、パソコンはMac、仕事先にはiPadを持参し、移動中はAirPodsで音楽を聴いているけど『別にアップル好きじゃないです』と言い張るライター伊藤朝輝がつづるアップルライフ。今回は、iPhone本体よりも高価な高級ケースがあると知った伊藤氏が、東京・銀座にあるiPhone用ケース専門のショールームを訪れたお話だ。

●高級iPhoneケースのめくるめく世界
2018年9月下旬に横浜の赤レンガ倉庫で開催された「iPhoneケース展」に行ったときの話。展示を見て回っていると、ひときわ目立つ黄色い革製の手帳型iPhoneケースが目に飛び込んできた。説明書きを読むと「ドイツ“ぺリンガー”社製のシュランケンカーフ使用」とある。「某有名メゾン」と同じ革を使っているとのことだが、「ぺリンガー社のシュランケンカーフ」で検索すれば見当はつく。アップルが「Apple Watch」でコラボレーションしているあの会社だ。

このケースを「iPhone XS」を上記のケースに装着して操作感を試したところ、柔らかいを通り越してふんわりしている感じ。これが「シュランケンカーフ」の特徴で、独特なしぼ(しわのような凹凸)のおかげで柔らかい割に傷が付きにくいらしい。

その場にいたスタッフに値段を聞いてみるとiPhone XS用で税込み1万7000円とのこと。これは、アップル純正の手帳型ケース「レザーフォリオ」の税込み1万1664円よりも高い。だが、驚くのはまだ早い。東京・銀座の直営店にはiPhone本体よりも高価なケースがあるという。本体より高いってどういうこと? iPhone用ケース専門のショールーム? どんな人が買うの? などなど、激しく興味をそそられたので、後日「GRAMAS GINZA ONE」の店舗まで足を運んでみた。

「GRAMAS シュランケンカーフ 手帳型レザーケース」のiPhone XS用モデル。筆者が使っている手帳型ケース「レザーフォリオ」のようにカジュアルに使うのは恐れ多い感じ
iPhoneを固定する部分もちゃんと革製。iPhone XSの狭額縁に合わせた細い角丸四角のフレームがおしゃれ
こちらは背面だけをカバーする「GRAMAS シュランケンカーフ シェル型レザーケース」。iPhone XS用モデルが税込み1万円。手帳型に比べると安いのだが……

●自分好みのケースを作るために会社を作った!?
目的の直営店は、銀座の柳通り沿いにあった。周りには高級ブランド店が立ち並ぶ、普段の筆者なら絶対に近寄らないエリアだ。

高級な革製品を手掛ける会社がiPhoneケースを作るようになったのだろうと思っていたのだが、店内にはiPhoneケースおよびその関連商品しか展示されていない。代表取締役の坂本雄一氏いわく「世の中に自分で使いたいと思うiPhoneケースがなかったので、iPhoneケースを作る会社を作った」とのこと。iPhoneにダサいケースを着けて台無しにしたくない筆者には、その気持ちがとてもよく分かる。iPhoneケースを突き詰めていった形が、「GRAMAS」というブランドになったのだろう。

写真の「GRAMAS COLORS“Edge”」は税込み6000円と、高額というほどではない。ところが、上半分のメタル部分は200万円前後の高級腕時計の文字盤と同じデザインで、分かる人には分かるとのことだ
写真中央にある「GRAMAS FEMME“MEDIARING”」という商品は、端末の落下防止用のいわゆる「スマホリング」で、価格は税込み3800円。だが、驚いてはいけない。直販のウェブサイトには「GRAMAS Meister Hold Bar“Cuffs”」という税込み1万2000円の超カッコいいスマホリングもあるのだ

●ガルーシャのスターマークがハートに突き刺さる
展示されているiPhoneケースについて一通り説明してもらったが、高級感やモノの良さは分かるものの、いまひとつ実感が湧かない。筆者が高級ブランドに疎いということもあるが、それよりも自分では買えない、つまり“自分に関係ない世界の話”なので入ってこないのだ。

しかし1つだけ、あまりの格好良さに「欲しい!」と思ってしまったケースがあった。それは「GRAMAS Meister」という受注生産のシリーズの中の「GRAMAS Meister Book Galuchat Leather Case」というアカエイの皮で作った手帳型ケースだ。

不思議な光沢があり、蓋の中央部分が白く輝いている。この部分は「スターマーク」と呼ばれ、エイの背骨に当たる部分に1カ所しかない。これをケースの意匠として使っているわけだ。

「Galuchat(ガルーシャ)」という言葉の響き、1匹のアカエイに1つしかない白く輝くスターマーク、それらが筆者のハートに突き刺さった。自分のiPhoneを装着して手にしてみると、ガラスビーズのように滑らかで冷やりとした感触。アカエイの皮は武具に使われていたほど硬くて丈夫なため、手作業で3日くらいやすりをかけて仕上げるらしい。

ここまで話を聞いているうちに何かの魔法にかかってしまったようで「頑張れば買えそう」などと思い始めていた。

GRAMAS Meister Book Galuchat Leather Caseは税込み12万円。硬くて丈夫なアカエイの皮を時間をかけて磨くことで、しっとりとした艶を出している
シェル型のGRAMAS Meister Galuchat Leather Caseは税込み5万5000円。10万円以上するiPhoneケースを見てしまったので、安いと錯覚してしまう
あまりの格好良さに自分のiPhoneを入れてみた。自分の中の「革」のイメージからは想像できない質感。ガラスのように冷たいが手に当たる感じは優しい

●「クロコダイルが50万なんて安い」と言う人たちとは
iPhone用ケース専門のショールームのはずだが、クラッチバッグのようなものが展示されていたので見せてもらった。これは「シングルジップオーガナイザー」という商品で、要は財布。しかしその財布は、iPhoneがすっぽり入るようになっている。iPhoneと財布を一緒に持ち歩けるということで、かなり売れているらしい。

同シリーズは、直販サイトにも3万円台からいくつかの商品があるのだが、筆者が店舗で見せてもらった、クロコダイルの皮を使ったものは25万円。もう一回り大きいものは50万円になるという。

クロコダイルの皮を使っている高級ブランドバッグは、同じくらいのサイズでも200万円は下らない。それを知っている客は「50万なんて安いじゃん」と言って買っていくとのこと。そんな人たちにとっては、iPhoneもアクセサリーの1つにすぎないのだ。ケースが本体より高いなんてことはどうでもいいに違いない。

考えてみれば、筆者もアップル製品に毎年30万円以上のお金をかけている。ガルーシャのシェル型ケースは5万5000円なので、「Apple Watch」を1つ我慢すれば買える。いや、ケースはiphone本体を買い替えたらサイズが合わなくなる可能性があるけれど、シングルジップオーガナイザーならずっと使えるからむしろお得かも……。魔法にかかったままの筆者は、取材を終えてからもケースの金額をアップル製端末に換算し続けている。

クロコダイルの革で作られた「シングルジップオーガナイザー」。このサイズで25万円が破格だというのだから筆者とは住む世界が完全に違う
財布の蓋の部分にiPhoneがすっぽりと収まる。会社員が昼食に出るときにiPhoneと財布を一緒に持ち出せるという理由で人気が高い。自分のケースが場違いに思えてくる

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