iphone x quickcaman
「完成!リアリティ・ディストーション・フィールド(現実歪曲空間)!」
 周囲の半径10メートルの空間が半球状の光のドームに包まれた。
 3メートルを超える巨体の敵が一瞬ひるみ、横にはらった大剣が空を切る。
「今だ!」
 おれは正面の大男に向かって駆け寄り、目前で高く跳んだ。
「必殺!クイッカレーザーブレード、雷・撃・落とし!」
「雷撃落としを実行します」
 腰にセットしたiPhone Xが冷静な女性の声で答えた。手にした剣が光を帯びる。それに呼応するように周囲のドームに蓄積していたエネルギーが剣へと注がれ始め、光は一層輝きを増していく。周囲の空気はプラズマ化され、リアリティーディストーションフィールドがイオンで満たされた。
 跳躍の頂点で剣を素早く逆手に持ち替え、落下と同時に刃を敵の頭上めがけて突き立てる。
「うぉりゃあああ!」
 視界から消えたおれが、自分の頭上にいることにようやく気がついた大男は、防御の体勢を取ろうとしたが、こちらが一瞬早い。剣に注がれ続けているエネルギーが切っ先から放たれた。雷の刃が敵の巨体を脳天から貫く。
「ぐがっがががががが」
「とぉ!」
 雷の刃に貫かれながら仁王立ちになっている大男の両肩を蹴って反転ジャンプ。
おれは着地すると同時に、敵に背を向け剣を収めた。
「デッド・エンドッ」
そう言うと、プラズマ化した大気が大男の中心部に向かって、一気に収束する。超小型のブラックホールだ。現代のヒーローは戦闘の後始末も重要な使命だ。
 大男はジニーエフェクトで亜空間へ吸い込まれながら叫んだ。
「ク、クイッカマン、お前はいったい何なんだぁぁぁぁ!」
両手を左右に開き、体を右にひねる。
「Mac大好き!」
ゆっくり頭の上で交差。
「iPhone最強!」
そのまま腕を胸の前におろす。
「人呼んで」
左手を握りしめながら体を左にひねり重心を左足に移動。右手で天を指す。
「モバイル戦士クイッカマン!」
 そう叫ぶと同時に、敵を飲み込んだ小型ブラックホールとリアリティ・ディストーション・フィールドは消滅し、おれの変身も解かれた。
「akibyon、素敵な決め台詞ですね。ポーズはちょっとバロムワンみたいですけど。今後もサムスニアからiPhoneを守り、歴史を正しいタイムラインに修復する救世主たらんことを」
 腰にぶら下げたiPhone Xが女性の声でそう言った。
「ちぇ。Siri、きみこそ、Juizみたいじゃないか」
 おれは、iPhone Xにインストールしたアプリで、現在予測される未来と、真の未来との差が、5%縮まったことを確認しつつ、日が昇り明るくなっていく横浜の空を見ていた。

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