Quickca Report (Mar 20 1998
Super Seat

崎空港からの帰り、今日は朝からものすごい強風で、全然飛行機が飛んでいなかった。いつものように17:00に空港に着いてみると、予約していたANA618は欠航が決まっていた。また宮崎に泊ることを覚悟していたが、ダメもとで空席待ちをしてみることにした。16:30発のANA616が天候不良で出発を待ちあわせていたのだ。
 空席待ち番号は198。構内放送で、空席待ち番号161番から170番が呼ばれていた。全然だめじゃん。カウンターの周りには人だかりがしている。呼び出しがあるまで待ってりゃいいのに、あさましいな。そう思って、おれはカウンターから少しはなれたイスに座っていた。空席待ち番号171番から180番を呼ぶ放送がかかった。
 しばらくそのままイスに座っていたが、退屈してきたのでなんとなくカウンターの方へ行ってみた。カウンターのお姉さんが、空席待ち番号を読み上げていた。
「空席待ち番号185番の方、186番の方、187番の方」
「…」
「…」
「はい」
 お姉さん、次の番号呼ぶの早いよ。それ以前に、その番号の人たち、放送で呼んでないじゃん。
「あと、お二人です。空席待ち番号188番の方、189番の方、190番の方、191番の方」
「…」
「…」
「…」
「はい」
 こんなに周りに人がいっぱいいるし、あと一人じゃ全然ダメだよ。こんなことでツイてたためしが無いし。
「空席待ち番号192番の方、193番の方、194番の方」
「…」
「…」
「はい、あの〜、ぼくたち二人なんですけど、乗れますか?」
 若い男女のカップルだった。
「お一方だけでしたら、お乗りになれますが」
「そうですか、じゃぁ、キャンセルします」
「空席待ち番号195番の方、196番の方、197番の方、198番の方」
「…」
 来た来た。
「…」
 誰も返事するな、するな。
「…」
 次だぞ。
「はい!」
 やったー! 今日帰れるということよりも、自分がラッキーだったころがうれしい。
「スーパーシートですので3800円追徴させていただきますが、よろしいですか?」
「はい!」
 おお、こんなときでもないとスーパーシート乗れないし、なんかうれしい。しかもすぐに出発するから、案内すると言う。空席待ちのANA616は18:00に出発することが決まったのだ。いつものANA618よりも1時間早い。これまたラッキー。

 いつもは預ける荷物をもったまま、機内に入った。客室乗務員のお姉さんが、荷物とスーツの上着を預かってくれた。いい感じ。大きめのシートにゆったりと座ると、すぐに飛行機が出発した。

 飛行機が上空に来ると、スーパーシートの特典の軽食が出てきた。普通の席だと、おかき。軽食のメニューは、おにぎり(またはクロワッサン)にホタテの煮物、ポテトのベーコン巻き、ゆでブロッコリー、オレンジ、キウィ、チェリー、パイン ゼリー。食べて、すぐにねてしまった。羽田に着く直前に目が覚めて、せっかくスーパーシートに座ったのに全然、満喫できなくて、ねてしまったことを悔やんだ。