Quickca Fight Jun 14, 1997
朝から団地の中で大声を張り上げるのは許せない-->日本キョーサントー推薦奇怪人登場

消費税5%に加え、2〜4倍もの医療費負担増。こんな国の悪政から市民を守るべき市政が、逆に国と足並みを揃えて市民いじめを続けています」

 土曜日の朝8時半。朝寝坊を楽しんでいたおれは拡声器の音でたたき起こされた。明日は千葉市の市長選挙なのだ。ここのところ選挙カーが走り回っている。しかし今日のこの声はいつまでたっても遠くに行かない。

「長良川河口堰、諫早湾干拓…。全国で大開発の無駄使いが問題になっています。千葉市でもオール与党勢力が見通しのない大開発に熱中し借金は1兆円を越えました」

 どこから聞こえているのか全く方向性や距離感がない。近くにいるのか。窓の外を確認すると、男女2人が、小学校の屋根から外してきたような大きなラッパスピーカーを置いてしゃべっている。スピーカーから出る音は団地の棟と棟の間めがけて発射されている。
「お年寄り、障害者に易しい施策を。子供の健やかな成長を。市民本位の安全で活気に満ちた街づくり…」
 うるせー。ひとの眠りを妨害しておいて、なにが市民本位だ。おれは文句を言うため、部屋を出て団地の階段から顔を出した。
「応援ありがとうございます」
 応援じゃねー。おれは5階の踊り場から空中へ飛び出した。
「チェーンジ、クイッカマン。セットアーーーップ!」
 おれは空中でクイッカマンの変身ポーズを作った。
「ご静聴ありがとうございました」
 おれが下に降り立ったときにはやつらはすでにいなくなっていた。ちくしょう。ひとこと言ってやりたかったんだが。こんなところで大きな声を出されたら、聞きたくない人はどうすればいいんだよ。他でやれ!
 電話攻撃もある。最近はご丁寧に留守伝にも入れてくれちゃうのだ。明日は明日で「投票には行かれましたか」なんて電話がかかってくるのだ。そんなに言われたら行きたくなくなるんだよ。