Quickca Fight Jan 21, 1997
クイッカマン九州へ(Part 3)-->香港A型奇怪人ザ・インフル再登場

岡出張のため、午前8時50分発の羽田→宮崎空港ANA603便に乗った。これに乗るには8時半に会社に行くよりも大変だ。がんばって乗ってみたら、朝のラッシュアワーに入ってしまったとか何とかでなかなか飛び立ってくれない。結局、離陸に入ったのは9:30になってからだった。
 これまでの出張は午前の会議に出席するため、前日の移動だったのだが、今回は午後1時半からということで当日朝の移動なのだ。
しいたけ弁当  宮崎空港には1時間半ほどで到着。飛び立つのが遅かった分、到着が遅れて、食事をしている時間が無くなってしまった。おれは弁当を買い電車の中で食べることにした。宮崎はしいたけが名物ということで「しいたけ弁当」(600円)を買った。おいしいのだが正直言ってあまりぱっとしない弁当だ。"しいたけ"ってところがインパクトに欠ける。しかし値段の割の量が多いので腹はいっぱいだ。そのほかの弁当もなぜかぱっとしない。なんかないの?
 満腹感で眠くなりかけていたとき、おれの座席の後ろでゴホゴホ咳をするやつがいた。口に手も当てず、のどの奥から絞り出すような咳だ。せっかく治った風邪がまた移ったらどうするのだ。もしや、と思ってそいつの席をのぞき込んだら、座っていた中年の男と目があった。男はにやりと笑った。
「出張、ご苦労様。クイッカマン」
 香港A型奇怪人ザ・インフルだ。こんなところまで追っかけてくるとは恐るべしNEO-SEA-HORSE。
「魔導師うっちー様のご実家に寄ったついでだよ。あとちょっと信号機を…おっと」
 うっちーの実家? ヤツにも実家があるのか。それから信号機ってなんだ?
「さすがに、風邪移し作戦はもう通用しないようだな。今度会ったときがお前の最後だ」
 そう言うとインフルは走っている電車から飛び降りた。なぜ、今攻撃しないのだろう。おれがクイッカマンに変身できない今こそチャンスだというのに。

 電車は1時10分過ぎに延岡に到着した。これでなんとか会議に間に合うだろう。タクシーをとばして客先に着いてみると合流するはずの上司の姿が見えない。彼らは前日に博多の関係会社で打ち合わせをしていて、ここでおちあう予定だったのだ。
 客先の担当者に聞いたところでは、日豊本線に信号機故障があったために列車が最大3時間も遅れているのだそうだ。ちくしょう、インフルの仕業だ。直接攻撃をしない分じわりじわりと周囲から責めてくる。
 上司は1時間半遅れで到着した。信号機故障は強風のせいだと思っているようだったが、おれがクイッカマンであることがばれては困るので、インフルのことは黙っていた。